自立するということは、見えない何かに依存するということだと思う。 頼ること、甘えることが、物ではなく人に。 それが自然にできる人のみが、自立できるのだと思う。 わたしは親にも甘えられなかったので、自分のうちに頼るしかない。自分の足で立って生きるしかなくなる。 その生きかたは、もろい。人生という風が吹き飛ばすような嵐の中では、立っていられない。 自分の足で立つ、ということは、 人と人のつながりがあって、はじめて可能になる。 人と人で糸のように、ぴんと張った、強いつながりが、支えになる。 嵐のなかでも吹き飛ばされない。 人とのつながりがうすく、ひとりで生きていこうとするものは、安定しない。 このような状態は、糸がゆるゆるになっている。 糸がゆるゆるなので、すぐに吹き飛ばされてしまう。 自分というものが安定しないので、新しいことに挑戦したりすることも億劫となる。 自己完結は、ゆるやかに、死んでいく。